故人宛て請求ハガキが届いたら?相続放棄と時効援用の判断基準

故人宛ての請求ハガキが届いたら?絶対にやってはいけない3つのこと

大切なご家族を亡くされ、ご家族を亡くされた後の手続きが続く中で、見慣れない会社から故人宛ての請求ハガキが届くことがあります。

私が支払う義務があるのか」と、多くの方がパニックになられます。当事務所にも、そうした状況で不安を抱えたご遺族からのご相談があります。

故人が過去に利用していた消費者金融やカード会社の古い借金が、時を経て債権回収会社(サービサー)に譲渡され、故人あてのまま請求が再開されるケースは決して珍しくありません。

例えば、中央債権回収やアイ・アール債権回収といった会社からの通知が届くことがあります。

しかし、この段階で特に注意すべき点があります。慌てて行動を起こすと、本来支払う必要のなかった借金を全額背負ってしまう危険性があるのです。

まず、以下の3つの行動は絶対におやめください。

安易に電話をかける
特に注意が必要な行動です。請求元に電話をかけ、「私が払う必要があるのなら払います」「支払い方法を相談したい」といった発言をすると、相続人として借金の存在を認めたことになりかねません。これを法律上「債務の承認」といい、たとえ時効期間が過ぎていても、その権利を主張できなくなります。不用意な発言が法的に不利に評価される可能性があるため、連絡する前に専門家へ相談してください。

少額でも支払う
「自分のものではないがとりあえず少額だけ払っておこう」という考えも危険です。少額であっても、支払行為が「債務の承認」と評価されます。これにより、時効の援用という選択肢が失われるだけでなく、相続放棄を考えている場合にも不利に働く可能性があります。

書類にサインして返送する
ハガキや封書に同封されている「和解書」や「お支払い相談シート」のような書類に安易に署名・捺印して返送してはいけません。特に、最近ではQRコードからGoogleフォームなどに誘導し、分割払いの希望額などを入力させる注意が必要な請求方法も増えています。これも「債務の承認」にあたります。

故人宛ての請求ハガキが届いたら、まずは何もせず、冷静に専門家へ相談することが最も安全で確実な第一歩です。

故人宛ての請求ハガキを見て困惑する遺族のイラスト

支払い義務をなくす2つの方法「相続放棄」と「時効援用」

故人の借金について、相続人が支払い義務を免れるための法的な手続きは、主に「相続放棄」と「時効援用」の2つです。

どちらを選ぶべきかは、故人が残した財産の状況によって大きく異なります。それぞれの特徴を正しく理解し、ご自身の状況に合った最適な方法を選択することが重要です。

相続放棄|借金も財産もすべて引き継がない選択

相続放棄とは、家庭裁判所に申述することにより、故人のプラスの財産(預貯金、不動産など)もマイナスの財産(借金)も、その一切を相続しないという意思表示です。相続人ではなかったことになるため、当然、借金の支払い義務もなくなります。

ただし、いくつか重要な注意点があります。

  • 期限:原則として「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」に家庭裁判所で手続きをする必要があります。
  • デメリット:借金だけでなく、預貯金や思い出の詰まった実家など、「全ての財産」を相続する権利も失います。

明らかに故人の財産が債務超過(プラスの財産より借金が多い)である場合や、他の相続人とのトラブルに関わりたくない場合などに有効な選択肢といえるでしょう。当事務所では、こうした相続放棄の手続きもサポートしております。

時効援用|借金だけを消滅させ、財産は守る選択

時効援用とは、借金の消滅時効が成立していることを債権者に対して主張し、支払い義務を確定的に消滅させる手続きです。借金は、一定期間権利が行使されないと時効によって消滅しますが、自動的に消えるわけではなく、「時効の利益を受けます」という意思表示(援用)が必要となります。

消費者金融やクレジットカード会社からの借金は、多くの場合、最後の取引(返済や借入)から5年以上が経過していると時効が成立している可能性があります。

時効援用の最大のメリットは、故人のプラスの財産は通常通り相続しながら、問題となっている借金の支払い義務だけを消滅させられる点です。相続財産を手元に残したい場合には、極めて有効な手段となります。

実務上、相続放棄の手続きを経ずに、相続人が直接、故人の借金について時効援用を行うことで解決できるケースは少なくありません。これにより、借金の支払い義務が法的に消滅する効果が得られます。

【3分診断】相続放棄?時効援用?あなたに合う手続きはどっち

ご自身の状況でどちらの手続きを選ぶべきか、簡単なフローチャートで診断してみましょう。

相続放棄と時効援用のどちらを選ぶべきかを示すフローチャート

この診断はあくまで一つの目安です。故人が残した財産の種類や借金の状況は様々であり、最適な解決策は個別の事情によって異なります。例えば、故人が誰かの連帯保証人になっていた場合など、複雑なケースも存在します。正確な判断のためには、専門家にご自身の状況を詳しくお話しいただくことが正確な判断につながります。当事務所では、豊富な解決事例をもとに、あなたにとって最善の方法をご提案いたします。

相談先で失敗しないために|司法書士と行政書士の決定的な違い

故人の借金問題について専門家に相談しようと考えたとき、司法書士や弁護士、そして行政書士といった選択肢があります。しかし、特に時効援用を検討する場合、どの専門家に依頼するかによって、受けられるサポートの範囲が全く異なることをご存知でしょうか。

最も大きな違いは「代理権」の有無です。

行政書士の業務は、依頼者の代わりに「書類を作成し、送付する」ことまでです。そのため、行政書士に時効援用を依頼しても、債権者からの督促の電話やハガキを法的に止めることはできません。どんな借金の内容かも調査することもできません。

行政書士には、依頼者の代理人として債権者と交渉したり、督促を法的にストップさせたりする権限(代理権)がないのです。万が一、債権者が時効の成立を認めず裁判を起こしてきた場合、行政書士はあなたの代理人として裁判所に出廷したり、交渉したりすることは法律で禁じられています。

一方で、法務大臣の認定を受けた司法書士(当事務所の司法書士も認定を受けています)は、簡易裁判所の訴額140万円以下の事件等について、あなたの「代理人」として行動できます。私たちがご依頼を受けた場合、直ちに債権者へ受任通知を発送します。

これにより、貸金業者等からの直接の取立ては、法令上制限されます。その後は、すべての交渉窓口を私たちが担い、時効成立まで責任を持って手続きを進めます。万が一、裁判に発展した場合でも、認定司法書士の代理権の範囲内である簡易裁判所の訴額140万円以下の事件については、代理人として対応することが可能です。

時効援用の無料診断サービス

かなた法務事務所の相談対応方針

法律事務所への相談は、多くの方にとって勇気がいることかもしれません。当事務所では、誰もが安心してご相談いただけるよう、以下の3つをお約束をしています。

かなた法務事務所の3つの約束

相談は無料です!全国どこにお住まいでも、電話やLINEですぐにご相談いただけます。
メリットだけでなく、デメリットもお話しした上で、状況に応じた対応方法を提案します。
ご相談いただいたからといって、その場で契約を迫ることは絶対にありません。「一度持ち帰ってゆっくりご検討ください」とお伝えしています。

故人宛ての請求ハガキが届いた場合でも、法的な対応方法を確認することで、支払い義務の有無を整理できる可能性があります。一人で抱え込まず、まずは私たちにお話をお聞かせください。

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