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借金の時効の援用をすると信用情報はどうなる?
ブラックリストから情報が削除される?
「借金の時効の援用をするとブラックリストからも削除されて情報がリセットされる?」
「ブラック状態から抜け出し、早くクレジットカード作ったりローン組んだりしたいのだけど…」
民法では、債権の消滅時効というものが定められていて、一定の期間が経過したあとにこれを援用(主張)することができます。
消費者金融や銀行からお金を借りたりクレジットカード会社を利用したりすると、通常その情報は信用情報機関に登録されます。
しかし、時効の援用をして借金がゼロになった後は、信用情報機関に登録されているブラックな情報も削除されるのでしょうか。
時効の援用後の信用情報はどうなるのか。ブラックリストからは削除されるのか。一緒に見ていきましょう。
1.信用情報機関によって対応は変わってくる!
結論から言うと、それぞれの信用情報機関によって対応は変わってきます。
そして、結局どうなるかは信用情報機関の対応次第ということになるので、「毎回必ずこうなる!」といった断言はできません。
以下でご説明するのは、あくまで、「こうなる可能性が高いですよ」というものだと思っていただければと思います。
信用情報機関は3つありますので、CIC(シー・アイ・シー)、JICC(日本信用情報機構)、KSC(全国銀行個人信用情報センター)の順に見ていきましょう。
2.CICの場合
CIC(シー・アイ・シー)は、クレジット会社の共同出資で設立された信用情報機関で、主に信販会社やクレジット会社が加盟しています。
参照:https://www.cic.co.jp/cic/index.html
CICに登録されている信用情報は、時効の援用をおこなうと、約5年後に削除されることが多いようです。
まず、時効の援用が無事におこなわれた場合、延滞していたカード会社の状況の欄には「延滞」から「完了」という状況に訂正されます。
その後、5年を経過すると自動的に削除という流れになるようです。
借金の時効の援用をおこなって借金がゼロになった後、消費者金融やカード会社が登録情報を変更するようにCICに通知した後にCICが処理をするので、援用したその日から5年後というわけではありません。
借金の時効の援用がおこなわれて、少し時間がたってから5年後にブラックリストから削除されるとお考えいただければよいと思います。
ちなみに、たまに、「当事務所に依頼をいただければ即座にブラックリストの修正を行います」といった広告をしている事務所をみかけますが、弁護士事務所や司法書士事務所や行政書士事務所がブラックリストの修正をできる訳ではありません。
そういった広告をしている事務所は詐欺まがいのことをしているといえます。十分注意をしてください。
3.JICCの場合
JICC(日本信用情報機構)は、消費者金融が中心となって設立され、消費者金融だけではなく、銀行など幅広い金融業者が加盟し、加盟する金融業者の数が最も多い信用情報機関となっています。
JICCに登録されている信用情報は、時効の援用をおこなうと、比較的早く削除されることが多いようです。
時効の援用が無事におこなわれた場合、信用情報は時効の起算日にさかのぼって「完済」として登録され、情報が抹消されることになります。
参照:https://www.jicc.co.jp/faq/detail/a095i000000LtgCAAS
こちらも、CICと同様、借金の時効の援用をおこなって借金が消滅した後、消費者金融やカード会社が登録情報を変更するようにJICCに通知した後に、JICCが処理をするので、時効の援用と同時に削除されるわけではありません。
借金の時効の援用がおこなわれた後、少し時間はかかりますが、それでも他の信用情報機関より早くブラックリストから情報が削除されると考えてよいでしょう。
4.KSCの場合
KSC(全国銀行個人信用情報センター)は、全国銀行協会によって運営されている信用情報機関で、主に銀行・信用金庫・信用組合が加盟しています。
参照:https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/about/
KSCの場合、CICやJICCとは異なり、時効の援用をしてもしなくても5年を経過すれば信用情報が削除されます。
というのも、通常、KSCに登録される借金は信用保証協会付きの借金となり、借金の返済を滞納した時点で、信用保証協会があなたに肩代わりをして銀行に支払いをします。
(当然、その後、信用保証協会があなたに督促をしてきます。)
そして、信用保証協会が代わりに支払ったことで「代位弁済」と登録され、5年後に自動的に削除されるようになっているからです。
したがって、借金の時効の援用をすることになった時には、信用情報はすでに削除されていると考えてよいでしょう。
5.まとめ
- 借金の時効の援用でブラックリストから削除されるかは信用情報機関によって対応が違う。
- CICは約5年後、JICCは比較的すぐ、KSCは援用の有無にかかわらず5年後に自動的に削除される。
弁護士事務所や司法書士事務所や行政書士事務所がブラックリスト(事故情報)の修正をできる訳ではありません。
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