時効援用の流れと援用の方法

時効の援用はどういう流れでする?そして具体的な援用の方法とは?

時効援用の流れと援用の方法

「時効の援用って言葉は聞くけど、実際どういう流れでするんだろう?」

「援用の方法が具体的にわかったらもう少しイメージできるのに…」

民法では、債権の消滅時効というものが定められていて、一定の期間(5年または10年)が経過したあとにこれを援用(主張)することができます。

しかし、時効の援用という言葉はよく聞くと思いますが、実際の流れを知っているでしょうか。援用という響きだけでその具体的な場面を想像できる人はあまりいないと思います。

このページでは、実際の時効の援用はどのような流れでおこなわれるのか。

そして、具体的な方法について一緒に見ていきたいと思います。

1.最初に時効期間の確認をする!

まず、自分の借金の時効期間がどれくらいなのかを確認しましょう。

債務は、それぞれの種類によって時効が異なっているため、自分の借金の時効が何年なのかを間違ってしまうと援用に失敗してしまうことになります。

特に、令和2年(2020年)4月1日には民法の改正があり、時効に関して大幅な変更がありました。

借金の時効は、借金をした時期、つまり、契約した時期が令和2年(2020年)4月1日によって、改正前の民法が適用されるのか改正後の民法が適用されるのかが変わってくるため、特に注意が必要です。

2.自分の借金の確認方法とは?

自分の借金について、いつ契約したものかを確認する方法は、主に2つあります。

1つ目は、契約書などの借金に関する資料を見て判断するという方法です。

通常、消費者金融や銀行のカードローンなどで借金をしている場合、詳細な内容が契約書となって作成されているでしょうから、その契約書であなたの借金の時効が援用できるかどうかを判断することになります。

そして、契約日(借金をした日)が令和2年(2020年)3月31日以前であれば旧民法が適用され、令和2年(2020年)4月1日以降であれば新民法が適用されることになります。

2つ目は、信用情報機関に問い合わせるという方法です。

信用情報機関とは、CIC(シー・アイ・シー)、JICC(日本信用情報機構)、KSC(全国銀行個人信用情報センター)の3つのことを指し、消費者金融や銀行·信用組合からお金を借りたりクレジットカードを利用したりする場合に、借入れや利用の情報が記録されます。

いわゆるブラックリストと世間的には呼ばれているものです、延滞の事故情報などが記録されているものになります。

信用情報期間に対してあなた個人の情報を開示してもらう請求をすることで、借金の詳細を調べることができます。

3.どうやって相手方に時効の援用を通知する?

時効の援用方法には、特に決まりはなく、口頭でもすることができます。

しかし、援用したときに相手方がすんなりそれを受け入れてくれればいいのですが、悪質な場合だと、「何も聞いていない」「書面なんか届いていない」と援用がなかったことにされてしまう危険があります。

そこで、しっかりと証拠を残す形で時効の援用をする必要があります。

よく用いられるのが、「内容証明郵便」です。

「内容証明」は、日本郵便によると、どういった内容の文書を誰から誰あてに差し出したかということを日本郵便が証明するサービスです。

参照:https://www.post.japanpost.jp/service/fuka_service/syomei/index.html

同じ書面を3通用意し、1通は相手方に届けられ、1通は自分の保管用、もう1通が日本郵便の保管用となり、日本郵便が5年間その内容について証明してくれます。

これに加えて、「配達証明郵便」を併せて利用するとより効果的でしょう。

「配達証明」は、日本郵便によると、その郵便物を配達したという事実を証明するサービスです。

参照:https://www.post.japanpost.jp/service/fuka_service/haitatsu/index.html

これら2つの方法を使うことで、時効の援用をするという内容とその書面が配達されたことが証明されるため、時効援用をした事実を確実に証拠に残すことができます。

4.時効の援用はここに注意!

自分の借金の時効期間がしっかり確認できたとしても、相手方が時効の完成を妨げる手段を取っていることがあります。

時効の完成が妨げられて完成が先延ばしにされていたり時効がリセットされていたりすると、たとえ時効期間が過ぎていても時効は完成しません。

その状態で時効の援用をしてしまうと失敗するおそれがあり、最悪の場合、借金がゼロになるどころか、裁判を起こされて余計な時間と費用がかかることも想定されます。

5.まとめ

  • 借金の時効の援用をするには、まず自分の借金の時効期間が何年なのかを調べる必要がある。
  • そして、その詳細は契約書や信用情報機関で確認できる。
  • 相手方への時効援用の際は、しっかりと記録が残るように内容証明や配達証明を利用することがオススメ。

ただし、時効の完成を妨げる事情がないかということをチェックしておかないと、失敗して逆に面倒なことになる可能性があります。

「自分で時効の援用をすると確認漏れや手順のミスがありそうで不安…」

「どうしたら確実に時効の援用ができるかわからない…」

こういった疑問は、専門家である司法書士ならすぐに解決できます!

自分の借金は新旧どっちの民法が適用になって時効は何年なのかということを確認して、失敗なく時効の援用をおこなうのは、とても細かな知識と注意力を要求される作業です。

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